青少年の体験活動の意義・効果
体験活動は,幼少期から青年期まで,多くの人と関わりながら体験を積み重ねることにより,「社会を生き抜く力」として必要となる基礎的な能力を養う効果があると考えられています。社会で求められる仲間とのコミュニケーション能力や自立心,主体性,協調性,チャレンジ精神,責任感,創造力,異なる他者と協働する能力等を育むためには,様々な体験活動が不可欠です。
また,体験活動は,自分自身との対話,実社会との関わり等を考える契機となります。自然の中で,これまで触れたことのない物に触れながら,その存在を認める経験を積むことで,大人になり思いどおりにならない状況に直面したときにも対応できる力が付くと期待されています。
人間関係をうまく作れない,規範意識が欠けている,ささいなことでも感情を抑えられないなど,青少年が抱える様々な課題解決への一つのアプローチとして,また,課題の未然防止のためにも体験活動は有効とされています。楽しみながらいろいろな世界の入り口を見せることができる体験活動や,学校から離れた自然の中で人や自然とつながる経験などを通じて,日常の生活を客観的に見つめ直すことができます。個々の子供の状況と発達段階を慎重に見極めた上で,こうした教育の機会を提供することにより,基本的なコミュニケーション能力や生活習慣を身に付け,子供の社会性や「思いやり」など豊かな人間性を育み,人間関係形成力を育成することが重要です。
そのため,幼少期から,家族や地域,自然の中での豊富な刺激と体験活動を発達段階別・学校段階間に連続して継続的に行うことが,一層効果的と考えられます。
※引用文献:http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab201701/detail/1398111.htm
自然体験が豊かな子どもほど、後の人生が充実する
自然体験が豊かな子どもほど、後の人生が充実する
では、具体的にどのようなことを行えば良いのでしょうか?
文部科学省の「子どもの体験活動等に関するアンケート調査」(対象:小学校2・4・6年生及び中学校2年生合計約1万1千人、平成10年度調べ)によると自然体験が豊富な子どもほど、道徳観・正義感が充実しているというデータが出ています。
さらに、「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫をつかまえたこと」「太陽が昇るところや沈むところを見たこと」「夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見たこと」といった自然体験の度合いと、「友達が悪いことをしていたら、やめさせる」「バスや電車で席をゆずる」といった道徳観・正義感の度合いを、それぞれ点数化してクロス集計したところ、「自然体験」が豊富な子どもほど、「道徳観・正義感」が身についている傾向が見受けられました。
様々な自然体験には「学び」があり、集団遊びが、友だちと共同し、知恵を出し合って挑戦するという、よい教育であるということです。
参考・引用文献:(平成11年4月 生涯学習審議会「生活体験・自然体験が日本の子どもの心をはぐくむ −「青少年の[生きる力]をはぐくむ地域社会の環境の充実方策について」−(中間まとめ)」
しかし、このような野外での体験活動を行う機会は減少しています。幼少期から1人部屋を与えられる家庭環境。公園等の遊戯規制による外遊びができる場所の減少など、要因は様々です。
故に、意図的に子どもたちの体験の機会を提供することが必要なのです。
1.「体験できる場づくり」
1.「気づきを促す指導力」
1.「安全な環境づくり」
保育園・幼稚園では、外遊びを通して自然に触れ合い五感を刺激すること、集団遊びの中で人間関係の基礎をつくることが求められています。
そのためにも、まずは、大人である「あなた」が自然体験活動に参加し、経験を通して、子供たちに安全な自然体験を提供できる指導者として活躍されることを期待しています。